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大変よね、女って…

宙ぶらりんの母たちを描いた“恐ろしい”本

『ハピネス』 (桐野夏生 著)

あなたは、母親たちが日中何をしているか知っていますか。 
家事と育児、とあなたは当然のように答えるでしょう。夫が働いている間に、妻はちゃんと家のことをやってくれていると。
では、彼女の欲望について考えたことはありますか? 世間から切り離された宙ぶらりんの、子どもとママたちだけの世界には、女たちの本音が息を潜めています。

それを文字にしてしまった恐ろしい本が、「ハピネス」です。 絵になる幸せは、勝利の証。そんな女の浅ましい見栄と周到な打算を、あなたは他人事だと思って眺めるのでしょうか。 
東京のベイエリアに建つ超高層マンション群。主人公の有紗はその憧れの街で子育てをしています。物語は海沿いのタワーマンションを舞台に、五人の母親たちが織りなすママ友模様を描きます。 
ママ友……いつからこの奇妙な言葉が定着したのでしょう。子育て仲間を指しますが、ママという役割を演じる上でのかりそめの友人関係、という意味合いもあります。 
孤独な子育てからもがき出ようと、母親たちが作った居場所。たとえ煩わしくても、子育て情報を手に入れるために、あるいは子どもが仲間外れにされないようにと、母親たちはママ友作りに励みます。 
有紗も、隣りの棟の上階に住む三人のママたちと集まっては子どもを遊ばせています。裕福で洗練されたリーダー格のママに声をかけてもらえるのが嬉しくて出かけて行きますが、有紗は自分が所詮人数合わせ要員であることを知っています。
眺望のいいタワーウエストの分譲組と、それより劣るタワーイーストの賃貸組。有紗が三歳の娘と二人きりで暮らすタワーイーストの部屋には、ママ友が遊びにくることはありません。互いに決して家には上げないのです。ボロを出さないように、探りを入れられないように。 品定めのし合いの日常は、秘密を抱える女にとっては綱渡りです。
有紗は別居状態の夫とのことを周囲に隠していますが、下世話な詮索をさりげない会話に忍ばせるママ友たちの追及をうまくかわせず、次第に追いつめられていきます。 
秘密を抱えているのはしかし、有紗だけではありませんでした。近所のマンションに住む洋子は、容貌が華やかだという理由でタワマンのママたちの仲間に。洋子の率直さと奔放さを有紗は密かに恐れ、また見下しているのですが、やがて洋子の秘密を知ると、有紗と洋子との間にはママ友グループ内での関係とは別の絆が生まれます。 
母親だって恋をする。平凡な女にも過去がある。絵に描いたような幸せを競っていたママ友の女たちは、やがて互いの暗部を窺い見た戦友となり、あるいは許しがたい敵となって、もう二度と元の形には戻れません。 
幸せは、証明しなくてはならないものなのでしょうか。見栄を張っても苦しくなるだけ。きっと本当の欲望は、絵になる幸せとは別のところにあるのです。有紗が見つけたように。あなたの中にも、あなたの隣りで微笑む女の中にも、きっと。

小島慶子さんの感想です。


この「ハピネス」私、美容院に行った時に、女性ファッション誌で連載されているのを、毎月必死に(笑)読んでました!


女って、横並びが好きな生き物…

私の周りには、こんなドロドロはなかったけど、女って見栄の張り合いみたいなところがあるから、しんどいよね(´>ω<`)



ただ、幸せになりたいだけなのよ~(。>ㅅ<。)♡*。



この小説、身近で有りそうで無さそうで…(´・o・`)


想像できて、面白かったなぁ~☆